MT5では、「サーバログ(ジャーナル)」機能を利用して、アドミン端末やマネジャー端末、クライアント端末で行われた様々な操作を確認することができます。
トラブルが発生した際に、いつ行われたどの操作がきっかけになったのかを確認したり、一定期間内にある口座で行われたすべての操作を確認したりする用途で活用できます。
この記事では、サーバログの確認方法や、検索の際に利用できるキーワードについて紹介します。
サーバログの確認方法
ログは、マネジャー端末の「サーバログ」タブで確認できます。フィルター条件を入力して「実行」ボタンを押すと、アイコンと時間、IPアドレス、内容(メッセージ)の情報が表示されます。
アイコンとは、時間の左側に表示されるもので、「エラー」「警告」「情報」「ログの日付」の4種類があります。
サーバログのフィルタリング方法
ログはそれぞれの操作で発生するため、1日に膨大な量のログが発生します。そのため、ログを検索するには、フィルタリング設定を利用します。
ログのフィルタリングには、以下の4種類がありますので、順に解説していきます。
番号 | 内容 |
---|---|
1 | キーワード |
2 | ログの種類 |
3 | ログのカテゴリ |
4 | 日付 |
キーワード
キーワード検索では、ログに含まれるすべての情報を検索できます。しかし、適切に検索するには、どの操作でどのようなメッセージが表示されるかを事前に把握しておく必要があります。
代表的なキーワードは以下の通りです。
キーワード | 内容 |
---|---|
Startup | サーバー初期化と再起動の情報 |
Exit | サーバー停止の情報 |
Synchronization | 同期の履歴 |
ClientBase | 同期の履歴 |
ClientBase | 口座に紐づく動作情報 |
History | 銘柄の履歴データに紐づく動作情報 |
datafeed or 'Datafeed name' | データ供給の起動と動作 |
メールベースの動作 | |
Monitor | パフォーマンス測定とモニタリングベースの動作 |
News | ニュースベース |
Access, Common, Feeders, Groups, Managers, SymbolGroups, HistorySync, Holidays | 対応するサーバー構成のファイル |
Network | サーバー操作 |
LiveUpdate | ライブアップデートシステムおよびその基盤の動作 |
block | 接続許容数の管理によるブロック設定と削除 |
'...' | 特定のアカウントに対する動作を分析するには、アカウント番号をシングルクォーテーションで囲み指定します。例:'12345' |
#... | 特定の注文や取引に関する動作を分析するには、その注文を記号 "#" で指定します。例: #111222 |
login | アカウントからサーバーへの接続情報。これらのエントリーには、接続に関する情報:時間、タイプ(クライアント、マネージャー、ウェブ等)、ターミナルビルドやその他詳細が含まれています。 |
logout | サーバーからアカウントを接断 |
なお、検索では大文字と小文字が区別されます。例えば「Login」と入力してしまうと、「login」のキーワードで表示される検索結果は表示されません。
論理演算子
検索の際、キーワードを「and(および)」、「or(または)」などの論理演算子で結合して指定することができます。以下の論理演算子の使用が可能です。
論理演算子 | 内容 |
---|---|
| | 「or(または)」の論理演算子です。この論理演算子で指定した複数のキーワードのいずれかを含むログを検索することができます。 |
& | 「and(および)」の論理演算子です。この論理演算子で指定した複数のキーワードのすべてを含むログを検索することができます。キーワードとキーワードの間にスペースがある場合も、この演算子が入っているのと同じ扱いになります。 |
^ | 「not(除く)」の演算子です。指定されたキーワードを含まないログを検索することができます。 |
ログの種類
ログの種類の項目では、以下の3種類でログの絞り込みを行うことができます。
項目 | 内容 |
---|---|
全て | 全てのログが表示されます。 |
ログイン無 | ユーザーのサーバーへの接続情報を除く、全てのログが表示されます。 |
エラーのみ | エラーのログのみが表示されます。 |
ログのカテゴリ
ログは以下の10種類のカテゴリに分けられます。このカテゴリを指定して絞り込みを行うことが可能です。
項目 | 内容 |
---|---|
全て | ライブアップデートを除く、全てのログ |
設定 | サーバ設定の変更に関連するログ |
システム | システム関連のログ |
ネットワーク | ネットワークアクティビティに関連するログ |
履歴 | 履歴データに関連するログ |
口座一覧 | 口座一覧に関連するログ |
取引 | 取引に関連するログ |
API | APIに関連するログ |
自動更新 | アップデートに関連するログ |
レポートメーラー | デイリーレポート送付に関連するログ |
サポートチームがよく使うログ
ログは、入出金履歴の確認や、ユーザーから取引調査を依頼された際に使う場合があります。一方、ユーザーから「ログインできない」との問い合わせを受けることもありますが、その原因はログではわからないこともあります。
入金・出金履歴に関するログ
入金・出金履歴はどちらも、「balance」のキーワードで検索できます。入金履歴は「Deposit」、出金履歴は「Withdraw」というキーワードでも検索可能です。
検索すると、それぞれ以下のように表示されます。なお、プラスの値であれば入金、マイナスの値であれば出金の扱いとなります。
入金 | '111111': balance operation for '111114' finished [#500 balance 1000 [Deposit]] [Deposit], time 10.00 ms |
---|---|
出金 | '111111': balance operation for '111114' finished [#501 balance -1000 [Withdrawal]] [Withdrawal], time 10.00 ms |
注文に関するログ
注文に関するログは、クライアント端末とほぼ同じ内容が表示されます。違いとしては、マネジャー端末では、どの約定ルールによって処理されたかが表示されます。
例として、Marketモードの成行注文のログを比較します。なお、MT5では1つの注文に対して4つ以上のログが表示されます。
クライアント端末 | マネジャー端末 |
---|---|
'111111': market buy 0.01 USDJPY | '111111': market buy 0.01 USDJPY (137.433 / 137.435) |
'111111': accepted market buy 0.01 USDJPY | '111111': request confirmed at market price 137.435, rule 'Auto Execution' (market buy 0.01 USDJPY)(137.433 / 137.435) |
'111111': deal #54 buy 0.01 USDJPY at 137.435 done (based on order #45) | '111111': deal performed [#54 buy 0.01 USDJPY at 137.435] |
'111111': order #45 buy 0.01 / 0.01 USDJPY at 137.435 done in 19.275 ms | '111111': order performed buy 0.01 at 137.435 [#45 buy 0.01 USDJPY at market], time 0.36 ms |
ログイン失敗時のログ
ユーザーから、ログインできないとの問い合わせがあった場合、その原因の一部はサーバログから調べられます。ただし、サーバーログからは調べられないケースもあります。
ログインできない原因は以下の理由が考えられますが、このうちマネジャー端末のログで確認できるのは、パスワード間違いと口座無効化の場合のみです。つまり、マネージャ端末のログからは、サーバ間違いと口座番号間違いは確認できないのです。
内容 | マネジャー端末 | クライアント端末 |
---|---|---|
パスワード間違い | '111111': invalid password | '111111': authorization on Broker-Demo01 failed (Invalid account) |
サーバ間違い | ログなし | '111111': authorization on Broker-Demo01 failed (Invalid account) |
口座番号間違い | ログなし | '111111': authorization on Broker-Demo01 failed (Invalid account) |
口座の無効化 | '111111':account disabled | '111111': authorization on Broker-Demo01 failed (Invalid account) |
パスワード間違い
マネジャー端末 | '111111': invalid password |
---|---|
クライアント端末 | '111111': authorization on Broker-Demo01 failed (Invalid account) |
サーバ間違い
マネジャー端末 | ログなし |
---|---|
クライアント端末 | '111111': authorization on Broker-Demo01 failed (Invalid account) |
口座番号間違い
マネジャー端末 | ログなし |
---|---|
クライアント端末 | '111111': authorization on Broker-Demo01 failed (Invalid account) |
口座の無効化
マネジャー端末 | '111111':account disabled |
---|---|
クライアント端末 | '111111': authorization on Broker-Demo01 failed (Invalid account) |
しかし、ログインに失敗した原因の絞り込みはできます。
サーバログは便利
サーバログを活用すると、トラブルがあった際の原因究明などに役立てることができます。MT5を日本語表示にしてもログは英語になるのがやや使いづらい点ではありますが、アドミン端末ではなくマネジャー端末で利用可能ですので、広い範囲のサポートスタッフがログを使えるようにしておくと業務の効率化が図れるかもしれません。